種類多すぎ⁉コンテンポラリーシリーズまとめてみた
お久しぶりです。肩と首の不調で作業効率激落ちくんの店長です。
激落ちくんと言えば、ラバーを貼る時に激落ちくん的なメラミンスポンジを使ってる方もいますよね。
メラミンスポンジは結構水分を吸い取るので、シャバシャバ系の接着剤を塗る時に重宝します。
さて、コンテンポラリーシリーズというのは、今月(2022年9月)に出た新しいシリーズ分けのうち、最も現代的なシリーズです。その名前が示す通り、コンテンポラリー = Contemporary = 現代的という意味です。
この投稿では、そのコンテンポラリーシリーズで受けられるサービス、またその中身について深堀りしていきたいと思います。
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■コンテンポラリーシリーズとは
コンテンポラリーシリーズは史上で最も自由度の高いシリーズです。
弊社でなぜこのシリーズを最も自由度の高いシリーズと位置付けているかというと、このシリーズには3つの組み合わせが出来るパロメーターが用意されているからです。
①素材の位置(アウター・インナー)
②素材の種類(TC,AC,ZC)
③合板の種類
また、その各種パロメーターを弄れることで、今までフォアとバックの打ち方やプレーエリアの違いをラバーでのチューニングを余儀なくされていたところに、第2のチューニング要素として素材の種類によるチューニングが出来るようになります。もっと細かいところはサイドテープによる振動吸収や、接着剤による硬さの調整などもできますが、大まかにこのパロメーターを動かすことが出来るのがポイントになってきます。そしてそのサービスを特注料金などの追加料金なしで全世界の卓球人が受けられるというのはまさに革命的と言えるでしょう。
ですが、それは決して未来の事ではありません。シリーズ名に現代的と名の付く通り、それこそがスタンダードだと弊社では考えています。
★素材の位置
まずは①の素材位置から解説していきます。
素材位置が変わることで弾みに変化があるのは大体の方がご存じかと思いますが、その理由についてはどうでしょうか?
通常ラケットの合板構成を決める時に、二つの王道パターンがあります。弊社で言えば”丁々発止”と”天衣無縫”になります。芯材から表にかけて硬くなっていくのが丁々発止、表から芯材にかけて硬くなっていくのが天衣無縫です。表の方に硬さがあればあるほど、ラケットの面に対して浅い角度でボールが進入する技術でエネルギー効率が高くなります。
例えば、ツッツキ・ループドライブのような技術ですが、人によってはスピードドライブやブロックでも浅く取っていきたい人もいると思います。そういった時にエネルギー効率が高いというのを上手く使える人が表板がハードなラケットに向いた人と言えるでしょう。今回の場合においてはアウターラケットがその傾向のラケットですね。
逆に、ストップがきっちり止まってほしい、短いサーブの質で点を取っている、ラリーでは厚く当てたいという方にはインナーのラケットが良いでしょう。
★素材の種類
次に素材の種類です。
今回はアダマンタイトで登場したTC(Toray/T300 Carbon)に加え2種類の素材が登場しています。AC(Alkanet Carbon)とZC(Zeranium Carbon)です。それぞれ色を表す花の名前がついていて、Alkanetは青紫色の花を咲かせるムラサキ科の植物で、花言葉は”真実”です。真実はいつも一つ、あなたの真実の一本になれるような想いがこもっています。Zeraniumは様々な色の物がありますが、オレンジ色が特に店長は好きですね。Zeranium Carbonも強いオレンジ色なのでそれにかけてその花の名前を付けました。花言葉は予期せぬ出会い、もしかしたら思いがけず生涯の一本になることを願っております。
さて、それぞれの性能についてはどうでしょうか?わかりやすいよう一覧を作ってみました。
飛距離や速度の被りはありますが、弧線は被ることなく★4,★3,★2に分かれていることが分かると思います。
まずはこの弧線をメインに素材構成を考えていくのをおすすめします。
例えば、ショートを使うタイプのペンホルダーの選手を想定します。
AC/ACだとショートが弧線を描いてしまうので、おもて面にはTCかZCを選択するのが自然な流れです。
ここで、この選手がショートをどのプレーエリアで使うか考えてみたところ、中陣以降ではうら面を使うので、ショートは前陣でプレーする事が明確です。ラケットの重量が軽くなると飛距離が落ちるので、この場合ミスリル(アユース芯材)のTCかオニキス(キリ芯材)のZCがベターな選択肢と言えるかと思います。この時中陣以降の裏面で飛距離を優先するならミスリル、軽さを優先するならオニキスという選択で合板の種類も選べてきます。
次の例として、両ハンド三球目打ち抜き型のシェークの選手を想定します。
この両ハンドというのがポイントなのですが、両ハンドの選手かつ打ち抜いてラリー終了であればフォアもバックも打点が落ちることがありません。なので、今回は例外として飛距離をメインに素材構成を考えていきます。
飛距離の短いACとTCのうち、どちらかを主砲と決めている選手に比べて両ハンドで下回転打ちをする選手は、必ずどちらを振るかの判断に時間を要するので十分に振れないシーンが多く存在します。この場合、両方でACの弧線性能が欲しいので、AC/ACがベターな選択肢と言えるでしょう。
更に突き詰めると台上をすっ飛ばして下回転打ちを仕掛けるのでストップの選択はあまりしませんし、この時のボールの質が高ければ高いほど一発で決まる確率が高くなってくるのでアウターの方が合いそうです。もちろん下回転打ちを厚く当てるタイプの人であればインナーの方が合う可能性もあります。また、試合でツッツキを逆に打たれるシーンが多くなってしまう環境にいる方にとっては、ストップが止められるかが3球目のしやすさに関わってくるので、この場合もインナーの方が合う可能性が高いといえます。
また全体として、威力の最大値を狙っていく場合合板はミスリル、飛距離が出ないように軽さを選ぶのであればオニキスが向いていそうです。このように素材の種類や構成さえ押さえておけばコンテンポラリーシリーズは簡単に最適なラケットが作れてしまう非常に合理的なサービスです。
★合板の種類
長くなったのでこちらはあっさり復習したいとおもいます。
前項では飛距離をメインに考えていましたが、軽さはスイングスピードを上げるのに非常に簡単な解決策です。つまり打ち損じが少なくなり、強いては意図しない場所に来た振れないシーンでもボールが入りやすくなります。
ここで様々なスポーツ情報を分析しているデータスタジアムさんのTリーグの分析を見てみましょう。
アナリストレポート第28回「データから見る男子卓球と女子卓球の違いとは?」 | データスタジアム株式会社 (datastadium.co.jp)
こちらのサイトには男子と女子の選手の平均ラリー回数も記載されています。
平均は男子で3.90回、女子で4.34回と表記されていました。つまり全ての試合でサーブやレシーブも入れて3回ボールに触ることが出来れば、データ上ほぼ勝ちが確定するという事です。もしあなたのラリー回数4回未満の失点が多いのであれば、軽さを追求する事で打ち損じを少なくするのは強力な解決策になり得そうです。
おさらいしておきます。
キリ芯材で軽いほうがオニキス。アユース芯材で重い方がミスリルと覚えておいてください。
■塗装裏話
さて、ここまで3つのパロメーターについて話してきましたがいかがだったでしょうか?
対象のユーザーが限定的だったタキオンや二天道楽といった他のシリーズの商品に比べ圧倒的に沢山のユーザーをカバーできる、またすべての悩める卓人を救えるそんなプロダクトだということを理解いただけたと思います。
店長的にはまだまだ踏み込んだ内容を書くことはできるものの、そろそろライトな話でもしたいと思います。
ミスリル・オニキスの塗装はタキオンの時のように凝った仕様ではありません。タキオンの時は下地から上塗り塗装まで全部で3層になっている硬質かつ厚膜な塗装でしたが、ミスリル・オニキスでは全部で二層の油性オンリーの塗装です。油性アクリルニスコーティングの上にアルドボスオイルでフィニッシュしてあります。ほどんどの人が見たことのある乾いた表面を持ちます。今回はラッカー系を使用してないので実用硬度になるまでが速く、それにより生産効率が大幅に向上しています。対象のユーザーが幅広いがゆえに発注本数が増えることが予想されたので、生産効率が高いことは大変喜ばしい事です。
困ってるあなたにすぐ解決の方法を届く、と書くと乳酸菌飲料のCMみたいですね。
■まとめ
コンテンポラリーシリーズは史上最も自由度の高いシリーズという事を冒頭にお伝えしてきた通り、3種類の素材、2種類の素材位置、2種類の合板を自由に組み合わせられる自由なラケットという事が分かったかと思います。
ん?その選び方がわからない?そんな人はこの投稿を読み飛ばしたのがモロバレです。読み飛ばさずにこのまとめまで読んでくださいね。
こんにちは。素材の弧線は、そのまま球持ちの良さと考えても良いのでしょうか?
そもそも、球持ちが良くて、自分で回転をかけた、自分で打ったという感覚が欲しいのですが、そうなると、素材が入っていない方が良いのでしょうか?
板の特長など、これからも解説お願いします。
ボールの入射角によって球持ちの表現が指す言葉の意味合いが変わってくるので、その人によるという表現が妥当だと思います。